久々のRaspberryPiネタです。最近はRaspberryPiを使用する頻度も少なくなってきたので、もう少しケース環境をなんとかしたいと考え、少し値段の下がっていたAmazonで本体ケースを購入しました。
購入したのは、M.2 SSD HAT
が同梱されたRaspberryPi 5用のケースです。高速なNVMe SSDでRaspberryPi 5を動かせると期待していたのですが、組み立てて起動したら思わぬアラートが…
購入商品
ちなみにSSDも同梱されていました。別途準備していた自分の立場は…😱
起動時に表示された警告
USBメモリで起動したときにUSB boot requires high current (5 volt 5 amp) power supplyという警告が!今の電源ではUSBブートには電力不足という意味でした。
ちなみにRaspberryPi 5から新規に追加された電源ボタンを押すと、警告が消えて起動はします。
原因:5V/3Aと5V/5Aの違い
5V/5A電源(公式27W)
- USBで使える電力:1.6A
M.2 SSD
を使用しても安定動作
5V/3A電源(Pi 4用など)
- USBで使える電力:600mAのみ
M.2 SSD
を使用する場合には全然足りない!
Raspberry Pi公式ドキュメント(GitHub)にも以下の記述があります。
The Raspberry Pi 5 provides 1.6A of power to downstream USB peripherals when connected to a power supply capable of 5A at +5V (25W). When connected to any other compatible power supply, the Raspberry Pi 5 restricts downstream USB devices to 600mA of power.
M.2 SSD
は起動時や高速転送時に大きな電力を必要とします。私が使っていたRaspberry Pi 4
用の5V/3A電源では、M.2 HAT
経由のSSDブートには電力が不足していたのです。
5V/3A電源で十分な使い方もある?
実はSDカードから起動するなら5V/3A電源でOKでした。
✅ 5V/3Aで問題ないケース
SDカード
起動- キーボード、マウスのみ接続
- 軽作業(プログラミング学習など)
⚠️ 5V/5Aが必要なケース(私のケース)
M.2 SSD
から起動USB接続のSSD/HDD
使用- 複数のUSB機器を同時接続
- CPU負荷の高い作業
警告を消す方法もある
一時的な方法
電源ボタンを押す(次回また出るけど😱)
恒久的な方法
ターミナルで以下のコマンドを実行します。
$ sudo nano /boot/firmware/config.txt
/boot/firmware/config.txt
のファイルの末尾に以下を追加
usb_max_current_enable=1
【Ctrl+S】→【Ctrl+X】→Enterでファイルを保存する。
⚠️設定変更しても600mA制限は変わらず、警告が消えるだけ。根本解決には5V/5A電源が必要です。
電源のチェック方法について
$ vcgencmd get_throttled
0x0
→ 問題なし ✅- その他 → 電源不足 ⚠️
稲妻マークが出たら電源不足です。
なぜ普通の充電器はダメ?
多くのUSB充電器(65W、100Wであっても)は5Vで5Aを出せません。RaspberryPi 5
の5V/5Aは特殊な仕様なんですよね。
今回はPD対応のUSB充電器を使用していました。これが敗因。
おわりに
M.2 HAT使うなら5V/5A必須!キリッ!😼
SDカードから起動+軽い用途 → 5V/3Aで十分(約1,500円)
USBやM.2 HATから起動 → 5V/5A必須(約3,000円)
M.2 HAT付きケースの性能を活かすには、電源への投資は必須です。せっかくの高速SSDも、電源不足では宝の持ち腐れですしね。
皆さんは私と同じ失敗をしないよう、最初から5V/5A電源を用意することをおすすめします!🫡