2020-08-20付でRaspberry Pi OSがバージョンアップしました。リリースノートを見ると以下のようになっています。 Bug fixのような感じの修正が多いようですが
2020-08-20: * raspi-config - added selection of boot device order * raspi-config - added selection of boot EEPROM version * SD Card Copier - copy is now immediately aborted if drives are connected or disconnected while copying * Version 32.0.0.414 of Flash player included * User feedback survey removed from first run of Chromium * Recommended Software - now allows multiple install and reinstall operations without having to close between each one * Bug fix - misleading file browser from panel menu icon selection dialog - icons must now be in icon theme rather than arbitrary files * Bug fix - items in main menu not being translated * Bug fix - raspi-config not detecting audio devices in non-English locales * Bug fix - Bookshelf claiming no disk space in non-English locales * Bug fix - failed installation of both 32 and 64 bit versions of packages by Recommended Software on 64-bit images * Italian translations added (thanks to Emanuele Goldoni and the Italian translation team) * Raspberry Pi firmware ef72c17bcaaeb89093d87bcf71f3228e1b5e1fff * Linux kernel 5.4.51
気になったのは以下の3つでしょうか?
- raspi-config - added selection of boot device order
- raspi-config - added selection of boot EEPROM version
- Linux kernel 5.4.51
raspi-config
コマンドのメニュー形式が変わり、設定項目が増えたようです。これで念願であった正式なRaspberryPi 4BのUSBのみ挿入して起動対応がされたことと思われます(これまでは暫定対応でした)
あとは、Linuxのカーネルバージョンが5.4.51になったみたいですね。一つ前のリリースでは4.19.118だったので大幅に変わったのでしょうか?
今回はraspi-config
コマンドがどの様に変わったかを見ていきたいと思います。
このリリースをRaspberryPi3Bで起動するとraspi-configの画面はどうなるのか?
気になったので、接続して起動。raspi-config
コマンドを実行してもメニューは増えませんでした。コマンド内部でRaspberry Piのハード種類を確認をしているので
4B以外では追加メニューは表示されないようです。
気を取り直してRaspberryPi 4Bでの起動
パッと見た感じでは違いはない感じです。
変化したのは3. Boot Options
になるので、選択してみます。
すると、
- B4 Boot Order
- B5 Boot ROM Version
のメニューが追加されていることがわかります。
では、まずB4 Boot Order
を確認してみます。
- B1 USB Boot
- B2 Network Boot
が表示されます。USBの起動設定ですが、この設定は起動時にSDカードがなかったときに使用される設定のようです。今回調べたいのはUSBデバイスからの起動部分なので、
B1 USB Boot
を選択します。
すると、以下の様な表示が行われます。EEPROMのファイルが存在しないためのようです。
No EEPROM bin file found for version 2020-05-27 - aborting
そして、Boot Orderの設定はエラーで終了します。
仕方がないので、トップメニューの8 Update
を選択して、最新バージョンにアップデートを行うことにします。
選択するとアップデートの処理が行われます。念の為この処理のあとに再起動をしておきます。
再起動後に再度raspi-config
コマンドを起動してから、3 Boot Options
を選択します。
B5 Boot ROM Version
を選択してみることにします。こちらの処理を行うことで、先程エラーが発生したファイルが反映されるはずです。
メニューを選択すると
- E1 Latest Use the latest version boot ROM software
- E2 Default Use the factory default boot ROM software
という項目が表示されます。なので、最新のROMを使用することになるので、E1 Latest Use the latest version boot ROM software
を選択します。
すると、最新バージョンにするか尋ねられます。この項目を選択しても、再起動を行うまでは反映されないので注意です。Yesを選択しましょう。
するとBootROMが更新されます。Okで戻ります。 これでBootROMが最新のものになるので、再起動を行って更新されたBootROMで起動を行います。
再起動後にまたまた、raspi-config
コマンドを起動して、B4 Boot Order
まで選択していきます。
選択すると、USB device is default boot device
と表示されます。これでUSBからの起動設定が次回以降で反映されます。Okを選択して戻ります。
ここで、RaspberryPi 4Bを一度シャットダウンさせて、SDカードを抜いたあとにRaspberry Pi Imager
などで作成した起動用のUSBストレージを接続して、RaspberryPiを起動させてみると…
問題なく起動します。
起動後にmountの状態を確認しますが、SDカード側のファイルシステムがないことがわかるかと思います。
SDカードメモリを挿入していないので当然ですがw これで、デフォルト状態でもUSBメモリからの起動などができるようになりました!
一応カーネルのバージョンも確認してみる
念の為、カーネルのバージョンも確認してみましたが、
新しいカーネルになっているようです。
おわりに
デフォルトでもUSBメモリなどから起動に対応したのは非常に良かったかなと思います。 手持ちにSSDがないので実験はできませんでしたが、メモリ8Gのタイプも登場しているのでRaspberryPiももは通常のPCと遜色ないスペックまでくるのではないかなと感じました。
でも、そこまでスペックが必要なのだろうかなという気もしなくはないです。早くなる分にはいいわけですけどね。
今回は簡単な内容でしたがこれにて。
参考