【50代IT学び直し】Claude DesktopのMCP設定で始めるAIアシスタント化への道

これまでは結構な間Webインターフェースを使用していましたが、そろそろ自分もMCPなどに関しても学んでいく時期かなと感じていました。 そこで今回はまだAIにのひよっこ🐤ではありますが、Claude Desktopを設定し、そこからMCPに挑戦をしてみようと思います。

本当なRAGあたりを…と思っていたのですが、最近ではMCPでその機能を賄うといったことも多くなっているので、先にMCPをやることにしました。

自分の体験からくるものが学び直しにつながることも考えて、軽いハンズオンのような形でまとめています。

Claude DesktopのMCP設定で始めるAIアシスタント化への道

今回の内容について

  • 対象者 … 50代でAIを学び直したい方、ITに詳しくないがAIを業務で活用したい方
  • 学習時間 … 推奨となるDXT方式で約30分程度、上級者向け手動設定で最大1時間程度をかかる想定です。
  • 必要なもの … Windows PCMacの方はもっと良い資料も多いと思うので今回はWindows限定🪟)

目標

今回は以下のことができるように目指します💪

  • Claude Desktopを正しくセットアップできる
  • MCPの基本概念と設定方法を理解できる
  • 実際の業務でAIアシスタントを効果的に活用できる

MCPとは?

MCP(Model Context Protocol)は、2024年11月にAnthropic社が発表した技術で、「AIのUSB-C」とも呼ばれているようです。

参考

ja.wikipedia.org

なぜ革命的といわれるか?

これまでは、各AIアプリが外部システムと連携しようとすると、個別に連携アプリの作成が必要でした。つまり、M個のAIシステムに対して、連携するアプリがN個あった場合には、M×N個のアプリ開発が必要で地獄を見ていました😅 そこで、このMCPを使うことで、アクセスの仕組みをプロトコル化し連携を用意にしました。M+N個の開発で良くなる。

Architecture Overview - Model Context Protocolより参照

実際にどんなことができるものがあるのか?

MCPは基本的にはプロトコルでしかないのですが、既にその仕組みを使用したサーバーが開発・公開されています。それを用いることで、以下のようなことができます。

  • ファイルの読み書き、整理(今回はこの機能を設定)
  • データ分析とレポート作成
  • 複数ファイルからの情報抽出
  • 議事録の要約とタスク抽出

1. Claude Desktopの導入

1.1 事前準備

今回使用するPCは以下のようなものを使用しています。

  • Windows 11
  • メモリ 16GB
  • インターネット接続

重要

今回は2通りの設定を紹介しますが、簡単で安全なDXT方式を推奨します。DXT方式では、Node.jsなどの追加ソフトウェアのインストールは不要です。

1.2 Claude Desktopのダウンロードとインストール

【ステップ1】Claude Desktopのダウンロード

ブラウザでClaude公式サイトにアクセス

Windows版のClaude Desktopをダウンロード

ダウンロードしたインストーラーを実行

【ステップ2】セットアップ

Claude Desktopを起動

Claudeのアカウントでログイン(アカウントがない場合は作成してからログインください)

ログインが終わると以下のようなウインドウが開きます。

念の為、プロンプトに「こんにちは」と入力して応答を確認しておきましょう。

ここまでの作業

  • Claude Desktopのインストール
  • Claudeのアカウントでのログイン
  • 基本的な会話動作を確認(通信とサービスの確認)

2.ローカルファイルを操作するMCPを手動で設定

セキュリティ上の注意

必ずお読みください

AIにMCPの機能でローカルPCのファイルへのアクセス権を与えることは、生産性を飛躍的に向上させる強力なツールですが、それはコンピュータに変更を加えることができる他のソフトウェアをインストールする時と同じ慎重さをもって扱う必要があります。

注意点

  • Claudeがファイルへの書き込みや削除**などの操作を提案してきた場合は、承認する前にその内容を必ず確認してください。
  • 「なぜこの操作が必要なのか?」を自問する習慣もつけましょう。

2.1 設定ファイルの場所を確認(ここで迷子になりがち😅)

Windows環境では、Claude Desktopの設定ファイルは以下の場所に存在します。

%APPDATA%\Claude\claude_desktop_config.json

Claude Desktopのウインドウの左上にある【三】ボタンをクリックし、【ファイル】→【設定】を選択します。

設定の画面の左側にある【開発者】を選択し、

【ローカルMCPサーバー】の【設定を編集】ボタンをクリックします。

これにより上記のパスに設定ファイルが作成(存在していればエクスプローラ上に選択)されます。ファイル名はclaude_desktop_config.jsonになっています。

%APPDATA%の場所を調べる方法

【方法1】ファイル名を指定して実行

Windows🪟 + Rキー】 を押し、%APPDATA% と入力して【Enter】キーを押下します。

開いたエクスプローラーのフォルダ内で【Claude】フォルダを探す。

【方法2】エクスプローラーのアドレスバー

エクスプローラーを開き、アドレスバー(上部のパス表示部分)に以下を入力します。

%APPDATA%\Claude

入力後、【Enter】キーを押下する。

【方法3】フルパスで確認

エクスプローラーを開き、アドレスバー(上部のパス表示部分)に以下を入力します。

C:\Users\【Windowsにログインしているユーザー名】\AppData\Roaming\Claude\

入力後、【Enter】キーを押下する。

2.3 設定ファイル(claude_desktop_config.json)の手動設定

基本的なファイルシステム設定

設定ファイル(claude_desktop_config.json)を以下のように編集します。

{
  "mcpServers": {
    "filesystem": {
      "command": "cmd",
      "args": [
        "/c",
        "npx",
        "-y",
        "@modelcontextprotocol/server-filesystem",
        "C:/Users/【Windowsにログインしているユーザー名】/Desktop",
        "C:/Users/【Windowsにログインしているユーザー名】/Documents"
      ]
    }
  }
}

⚠️重要な注意点(ここでハマること多そう😭)

  • 【Windowsにログインしているユーザー名】は実際のWindowsユーザー名に変更してください!
  • ただし、ユーザによっては、ユーザ名フォルダ名必ずしも一致しない(させていない)こともあるので注意
  • 設定ファイルでは、パスは/(スラッシュ)を使用(\ではありません
  • "command": "cmd""/c", "npx" の組み合わせがWindows環境のコツです

🔧 なぜ cmd /c npx が必要なの?

Windows環境では、Claude Desktopnpxコマンドをそのまま実行できない場合があります。

設定後の手順

  1. 設定ファイル(claude_desktop_config.json)を保存
  2. Claudeの【メニュー(三)】→【ファイル】→【終了】を選択して、アプリの完全終了
  3. Claude Desktopを再起動

  1. チャット入力欄の【検索とツール】アイコンをクリックして、filesystemが表示されれば成功!

2.4 動作確認

動作確認用のプロンプト

デスクトップにあるファイルの一覧を教えてください。

ファイル一覧が表示されれば、設定は完了です!

ファイルの操作には権限が必要になるので確認のダイアログが表示されます。この点はClaude Codeと同じ動きですね。

うまく動作するとファイルの一覧が表示されます。

この設定で、Claudeから「あのファイルどこだったっけ?」と検索したりファイルの中身へのアクセスができるようになります😊

3. 【推奨】ローカルファイルを操作するMCPをDesktop Extensions(DXT)で設定【2025年新機能🤩】

3.1 DXTとは?

2025年前半に登場した新機能で、ワンクリックでMCPサーバーをインストールできます。これが便利😍

DXTの特徴

  • 依存関係不要 → Node.jsの別途インストールは不要
  • 高いセキュリティ → パスワードはWindows資格情報マネージャーで暗号化保存
  • 自動更新 → 公式ディレクトリからの拡張機能は自動更新
  • 安全性の担保 → 安全性が検証された拡張機能のみ利用可能

3.2 DXTによる設定方法

3.2.1 拡張機能パネルを開く

  1. Claude Desktopの【メニュー(三)】→【ファイル】→【設定】をクリックし、

  1. 拡張機能】ボタンをクリックして拡張機能パネルを開き、【拡張機能を参照】ボタンをクリック

3.2.2 ファイルシステム拡張機能をインストール

  1. コネクタの検索画面で「Filesystem」の拡張機能を見つけてクリック

  1. コネクタの詳細表示で【インストール】ボタンをクリック

  1. ディレクトリを追加】ボタンをクリックし、アクセスを許可するフォルダを選択(例:Documents、Desktop)し、【保存】ボタンをクリックし

  1. インストール完了します。その後すべてのコネクタの表示画面で、コネクタの【有効】トグルボタンをクリックします。

3.2.3 動作の確認

  • DXTであればClaude Desktopアプリの再起動は不要
  • チャット入力欄に【検索とツール】アイコンでFilesystemsが表示されることを確認

あとは同様にDesktopのファイルをChat画面から有効化を確認することが出来ます。

4. どっちの方法を選ぶべき?(50代学び直しの選択基準😅)

項目 手動設定 DXT
設定のしやすさ ⭐⭐ ⭐⭐⭐⭐⭐
セキュリティ ⭐⭐⭐ ⭐⭐⭐⭐⭐
カスタマイズ性 ⭐⭐⭐⭐⭐ ⭐⭐⭐
エラーの起こりにくさ ⭐⭐ ⭐⭐⭐⭐⭐
推奨対象 技術に慣れた方、カスタム設定が必要な方 初心者、簡単設定を求める方

私の結論は、初めての方や「とりあえず動かしたい」という人はDXTで設定、「細かく設定したい」「いろいろやってみたい」という人は手動設定がおすすめでしょうか。MCPは次々あたらしいものが登場することもあり、手動でできると更なる機能の追加になると思います。

今回のチェックポイント

  • MCPの基本概念を理解した
  • DXTでファイル連携を設定完了(推奨)
  • プロンプトから基本的なファイル操作を確認した

おわりに

心配は取り越し苦労で、問題なく設定できました😊特にDXTを使用することで特に手間のかかる作業はありmせんでした。手動でも設定ファイルに注意すれば良さそうです。設定のバックアップをとってからやればかなりのミスも防げそうです。(ファイルがこわれてもMCPのみ影響するだけ)

今回の学習で身につけたのは以下のとおりです。

技術的なスキル

  • Claude DesktopMCPの基本的な設定方法
  • Windows環境での正しいセットアップ方法(手動設定とDXT両方)

MCPのおかげで、AIアシスタントが単なる「賢いチャットボット」から「実際に仕事してくれる相棒」に進化した印象です😎

後日談

今回設定したファイルの操作をMCPで行おうとするとかなり時間がかかる現象が発生していました。この操作とはファイル中身を見るような操作だったり、コピーをする操作でした。

なぜ遅かったのか作業過程をみると

  • ファイルの中身にアクセスするためにClaude DesktopPythonのコードを生成していたのですが、このコードでパスの設定方法として/を使うか\を使うか\\で試行錯誤をしていたこと
  • ファイルコピーをする際にReadLineで大量に処理をループさせていたこと。大きなファイルではこれが馬鹿にならないスピードやコンテキストの消費に繋がります。

こんな作業をしていました。普段は割とインテリジェンスを感じていたのにこういうところで、微妙な動きをしているのをみるとまだ自分たちにもやれることはあるなと思いました。プロンプトで具体的なやり方を指定すればいいのですけど、お任せにしすぎると良くないですね🥲