RaspberryPi3にWindows10 ARM版をインストールする【準備編】(2019/04/12現在)

RaspberryPiにWindows10 ARM版がインストールできたという話題が2019年の2月頃にネットに出ていました。

gigazine.net

いよいよ、IoTCoreではなく、通常のWindows10も動作するようになったのか!ということで自分も以前から何回か試していたのですが、 全くインストーラーがブルースクリーンから進行せず。SDカードの相性のことも聞こえてきたのでそのときは諦めることにしました。

最近、Facebookのコミュニティでうまくインストールできた方がいらっしゃってうまく行ったMicroSDカードメモリを教えていただいたので再度チャレンジを行いました。 自分みたいに知りたい方もいるかなと思いますので、自分がうまく行った方法論を記録します。この他の方法で成功するかはわかりませんが自分の成功した 手順だけを記録しておきます。自分も5回ぐらい失敗してわかった感じなので。うまく行かなくても責任は持てません。

あと、全部やろうとすると3-4時間ぐらいかかると思いますのでご注意ください。

自分は以下のエントリーを参考にしています。(最初の記事が出た2月の時点からツールなどの情報が変わっているので注意

【参考】 qiita.com

qiita.com

【2019/04/17追記】 ツールがバージョンアップしたので以下からダウンロードすると以下の手順がほぼなくなるようです github.com


MicroSDカードメモリにインストールイメージを生成する

準備編ではMicroSDカードメモリにインストールイメージを生成するところを行います。この時点ではSDカードの相性などは存在しません。

Facebookで紹介されたMicroSDカードメモリを使用しています。A1仕様のカードでないとインストーラーが起動した段階でブルースクリーンが連発すると思います(多分リードのタイムアウトが原因だと思います。)インストール後はサイズとしては16Gぐらい必要なるようなので、32Gぐらいのサイズでもいいと思いますが、今回は64Gのものを使用しています。SDカードメモリの規格もうすこし少なくならんものなんでしょうかね…

必要になるものとしては

【ハードウエア】

  • RaspberryPi 3B/B+
  • MicroSDカードメモリ

【ソフトウエア】

となります。

Windows on Raspberry imagerのダウンロード

MicroSDカードメモリに、インストールイメージを作成するのがWindows on Raspberry imagerになります。以下のページからダウンロードをします。

https://www.worproject.ml/

ダウンロードページはこちら

こちらのページにも必要なものはかいてありますのでチェックしましょう。 Windows on Raspberry imagerの実行にはbuild 15063以降が必要のようです。

ダウンロードが終わったら、展開しておきます。

f:id:ueponx:20190414135259p:plain

Windows 10 ARM64イメージの取得

つづいては使用するWindows10 のARM64イメージをダウンロードします。以下のサイトから選択すると、ISOイメージを取得するcmdファイルがダウンロードできます。 このcmdファイルを実行することになります。

uup.rg-adguard.net

リンクを開くと以下のような画面になります。

f:id:ueponx:20190414142333p:plain

今回は以下のパラメータで設定しました。

  • Select type: Cumulative Update for Windows 10
  • Select version: [18362.53]2019-04 Cumulative Update for Windows 10 Version 1903 for arm64-based System[arm64]
  • Select language: ja-jp: Japanese
  • Select edition: Windows 10 Professional
  • Select type download: Download ISO complier in OneClick!(run downloaded CMD-file)

パラメーターが設定されると画面の右にダウンロードリンクが表示されるのでそれをクリックします。

f:id:ueponx:20190414144840p:plain

今回はこんな感じのファイル名がでててくるのでこれをダウンロードします。ダウンロードしたらイメージ作成用のフォルダに保存します。

creatingISO_18362.53_ja-jp_arm64_professional.cmd

このcmdファイルを実行するとcmdウインドウが開きます。

f:id:ueponx:20190414150026p:plain

f:id:ueponx:20190414154916p:plain

実行が完了するとPress any key to exit.が表示されるのでウインドウが閉じます。(40分ぐらいかかります) cmdファイルの保存されているフォルダにISOファイルができていると思います。(他にもフォルダができていると思いますが問題有りません)

f:id:ueponx:20190414155033p:plain

これでWindows 10 ARM64イメージの準備はOKです。

Raspberry Pi用のTiano Core UEFIファームウェアの取得

以下のGithubリンクからダウンロードをします。(gitコマンドからも取得できます)

github.com

f:id:ueponx:20190414153704p:plain

こんな感じでZipファイル展開しましょう。実際に使用するのはこのアーカイブ内の RaspberryPiPkg-master\RaspberryPiPkg-master\Binary\prebuilt\2019Feb18-GCC5\DEBUG\RPI_EFI.fdファイルになります。(2019/04/12現在)

また後ほどツールから場所を指定することになります。

f:id:ueponx:20190414154429p:plain

これでRaspberry Pi用のTiano Core UEFIファームウェアの準備はOKです。

デバイスドライバを含むZIPアーカイブの取得

以下のリンクにドライバのアーカイブがあるのでダウンロードします。

https://www.worproject.ml/downloads

f:id:ueponx:20190414154806p:plain

このファイルはZIPファイルのままで大丈夫です。

f:id:ueponx:20190414155431p:plain


インストールイメージをMicroSDカードメモリに書き込む

イメージは先程準備したWindows on Raspberry imagerを使用して行います。 WoR.exeを起動します。

f:id:ueponx:20190414164027p:plain

起動すると以下ウインドウが開きます。言語設定もできるのですが、変えてもほとんどメッセージの内容が変わらないのでEnglishのままで進めます。 【Next】ボタンをクリックしてすすめます。

f:id:ueponx:20190413093904p:plain

【Select device】タブに移動します。ここでは書き込み先のMicroUSBカードメモリのドライブをしていします。予めPCに挿しておいてください。 選択して問題なければ、ウインドウの下部にチェックマークが付きます。【Next】ボタンをクリックしてすすめます。

f:id:ueponx:20190413093909p:plain

【Select image】タブに処理が移ります。ここでは使用するISOイメージを選択することになります。ここで先程ダウンロードしたISOファイル、 今回は18362.53.190401-1814.19H1_RELEASE_SVC_PROD1_CLIENTPRO_OEMRET_A64FRE_JA-JP.ISOが今回使用したISOファイルになります。(2019/04/12現在) 選択し、ウインドウ内にチェックマークがでたら【Next】ボタンをクリックしてすすめます。

f:id:ueponx:20190413093930p:plain

つづいて【Select drivers】タブに処理が移ります。ここではドライバがファイルを選択することになります。先程ダウンロードしたWoA64_Drivers_RPi3_20Feb19.zip(2019/04/12現在)を選択します。ウインドウ内にチェックマークがでたら【Next】ボタンをクリックしてすすめます。

f:id:ueponx:20190413093937p:plain

UEFI Firmware】タブに処理が移ります。ここでは先程準備したUEFIのファームウエアファイルを選択します。今回はアーカイブを展開した中からRaspberryPiPkg-master\RaspberryPiPkg-master\Binary\prebuilt\2019Feb18-GCC5\DEBUG\RPI_EFI.fd(2019/04/12現在)を選択します。この処理ではウインドウ内にチェックマークは 出てなかった感じです。【Next】ボタンをクリックしてすすめます。

f:id:ueponx:20190413093943p:plain

つづいては【Configuration】タブに処理が移ります。開始時点では以下のような画面になっています。ここは選択がいくつかあります細かく説明していきます。

f:id:ueponx:20190413093954p:plain

設定する項目は以下となります。

  • 【Install options】→【Partition scheme】:Master Boot Record(MBR)
  • 【Install options】→【Install image with】:Wimlib
  • 【Install options】→【Enable LZX install compression】:チェックを外す
  • 【WoR options】→【Save this configuration on exit】:ON

ここまで設定したら【Next】ボタンをクリックします。

f:id:ueponx:20190413094003p:plain

【Install】タブに処理が移り、最終確認の画面になります。再度、設定値の確認ができたら【Install】ボタンをクリックします。

f:id:ueponx:20190413094015p:plain

Install処理のプログレスバーが進んでいきます。完了するのに30分程度はかかると思います。

f:id:ueponx:20190413094024p:plain

終了するとThis installation has been finished!と表示されるので、

f:id:ueponx:20190413094044p:plain

【Finish】ボタンをクリックします。これでMicroSDカードメモリにインストーラーのイメージが書き込まれています。

おわりに

続いて実際にRaspberryPiにMicroSDカードメモリを挿入してWindows10をインストールさせていきます。これ以降が割とハマりポイントがあるので注意が必要です。

/* -----codeの行番号----- */