古いiPadの第二の人生。ルーターもネットも無しで、iPadが無線の液晶ペンタブレットになる🤩

外出先のカフェやホテル、出張先の会議室などで「Wi-Fiルーターが無い場所でもタブレットをサブディスプレイにできたらいいのに」と思うことがあるんですよね。自宅では同じWi-Fiに繋ぐだけで済むspacedeskですが、ルーターに頼れない場面だとどうしたものか…と長らくモヤモヤしていました🙄

そんな中、ふと「Windowsのモバイルホットスポットを"PCとタブレットの間にLANを作る"用途で使えばいいのでは?」と思いついて試してみたら、これがあっさり成立してしまったんです🤗

しかもspacedeskはペン入力にも対応しているので、Apple Pencil対応のiPadなら画面に直接描ける簡易的な液晶ペンタブレット(液タブ)代わりにもなります。型としては数世代前のiPad(今回はiPad mini第5世代)でも、最新OSが動く現役機なら十分実用的。「そろそろ出番が減ってきた手持ちのiPadに、もう一仕事させる」という使い方ができるってわけです。

ということで今回は、手元のタブレットをspacedeskでサブディスプレイ化する手順を、

  • ①同じWi-Fiルーター経由(自宅・社内など普段使い)
  • ②モバイルホットスポット(ルーターに頼れない出先)

の2通りでまとめてみました。とりわけ②はインターネットがない状態でも成立するので、新幹線・飛行機・閉域の現場など回線もルーターもない場所でも2画面環境が立ち上がります。荷物も減って一石二鳥です🤩

⚠️ spacedesk・WindowsのモバイルホットスポットいずれもUIやアプリ仕様の変更があり得るので、最新情報はspacedesk公式も合わせて確認してみてください。


1. 今回の構成と環境

今回の構成は以下のとおりです。

親機(画面を送り出す側)

  • PC … 13世代Intelノート / Windows 11
  • Wi-Fiアダプター … Intel(R) Wi-Fi 6E AX211 160MHz(STA+AP同時動作対応)

子機(画面を受け取る側)

  • iPad mini第5世代(Lightning / Wi-Fi 5 / A12 Bionic / iPadOS 26系)
  • Amazon Fire HD 10
  • Androidタブレット

接続条件は「PCとタブレットが同じLANにいる」ことだけです。そのLANをどう作るかが①と②の違いになります。

動作確認できた組み合わせ

  • 子機 … Androidタブレット / Fire HD 10 / iPad mini第5世代のいずれも動作
  • 接続方法 … ①Wi-Fiルーター経由 / ②モバイルホットスポット のどちらも動作。②はインターネット接続なしの状態でも成立
  • 普段使いは①で十分なことが多く、ルーターに頼れない場面で②が使える

実機のWi-FiアダプターであるIntel(R) Wi-Fi 6E AX211はSTA+AP同時動作に対応していて、②ホットスポット構成も実際に動いてくれました。 6GHz対応のアダプターではあるんですが、子機がWi-Fi 5世代なので実際のリンクは5GHz帯になります。

2つの接続方法の使い分け

①同じWi-Fiルーター経由 ②モバイルホットスポット
使う場面 自宅・社内などルーターがある 出張先・閉域・電波が弱い等、ルーターに頼れない
手間 少ない(両方を同じWi-Fiに繋ぐだけ) ひと手間(PCをアクセスポイント化)
ネット ルーター経由でそのまま使える ホットスポット側の設定次第
立ち位置 基本・まずこれを試す ①が使えない時の選択肢

結論としては、ルーターがあるなら①で十分。①が使えない場所のために②があるという考え方になります。


2. なぜspacedeskにしたのか

要件を消去法で絞った結果、spacedeskを使用することにしました。

前提条件

制約 内容 効いてくるポイント
端子 iPad mini第5世代はLightningが1つだけ 有線ディスプレイにすると端子が埋まり充電と通信が二者択一に。分岐ハブも使いたくない → 有線が脱落
世代 mini第5世代 = A12 / Wi-Fi 5 / iPadOS 26系 最新OS・アプリに対応し性能にも余裕。方式選択の制約にはならない
ネットワーク 余計な機材に頼らず手軽に組みたい 同一LANで動くIPアプリ方式が素直
PC 13世代Intelノート(Intel製Wi-Fi) STA+AP同時動作に対応 → ②ホットスポットも現実的

拡張方式を3つから絞る

  1. USB有線(Splashtop Wired XDisplayなど) … 遅延・安定性では最良なんですが、iPad mini第5世代はLightning端子が1つだけで、これをディスプレイ用に使うと充電と通信が二者択一になります(長時間のディスプレイ運用ほど充電が欲しい)。充電とデータを両立するには分岐ハブやUSB拡張アダプタが要りますが、相性・給電が不安定なうえ荷物も増えるため使いたくないんですよね。→ 脱落。無線にすれば端子を充電専用に空けておけるのが決め手でした。
  2. Miracast / 標準のワイヤレスディスプレイ … Windows標準の画面共有機能ですが、Miracastという規格自体が今や微妙で当てにしづらい
    • iPad/iPhone … そもそも非対応(Appleは独自のAirPlayを採用)
    • Android … かつてはOS標準だったものの、GoogleがAndroid 6.0(2015年)でネイティブ対応を外し、自社のGoogle Cast(Chromecast)へ移行。今はSamsung「Smart View」などメーカーが独自に残しているか次第で、Pixel系などは非対応が多い
    • Windows同士でも、相手機の対応や無線環境に左右されて不安定になりがち

    つまりMiracastはプラットフォーム横断で見て選ぶ理由が薄い。これを避けられるIPアプリ方式のほうが良さそうです。

  3. IPベースのアプリ(spacedeskなど) … 同一LAN上でTCP/IP通信できれば動きます。ルーター経由でもホットスポットでも、同じLANさえ作れれば成立する柔軟さがあります。← これを採用しました。

spacedeskを選んだ理由

  • 基本無料で機能制限なく試せる … 動くか不確実な状況でも、試すコストが低い
  • iOS / Android / Amazon(Fire) / Windows / HTML5と子機の対応が広い
  • ルーター経由でもホットスポットでも動く

spacedeskの構成(DRIVERとVIEWERの役割)

spacedeskは2つのアプリが連携しています。

部品 入れる場所 役割 入手先
DRIVER 親機(13世代ノート) 画面を送り出す側 spacedesk.net(公式サイト) ※ストアには出ない
VIEWER 子機(iPad/Fire/Android/別Windows機) 画面を受け取る側 各ストア(iOS=App Store / Fire=Amazon / Android=Google Play / Windows=Microsoft Store)

⚠️ Microsoft Storeに出てくる「spacedesk」はVIEWER(子機側)。親機に入れるDRIVERは公式サイトからのみなので注意してください。


3. 事前チェック

子機側でVIEWERが入手

  • iPad mini第5世代 … iPadOS 26系に対応していて、App Storeからspacedesk最新版がそのまま入ります(関門なし)
    • (参考)iPad mini 4などiPadOS 15止まりの旧端末では、最新版が入らず「古いバージョンをダウンロードしますか?」で旧版を取得できるかが鍵になります。取得不可なら別アプリ(Duet Display旧版など)を検討
  • Fire HD 10 … Amazonアプリストアに純正VIEWERあり。入手の関門は低いです(実績あり)
  • Androidタブレット … Google Play。比較的新しめのOSでも入りやすいです

(②を使う場合のみ)PCのWi-Fiアダプター確認

①ルーター経由だけなら不要です。②ホットスポットを使う場合のみ確認します。

PS> netsh wlan show drivers
  • アダプター名にIntel(R) Wi-Fi 6E AX211などが出ていればSTA+AP同時動作はほぼ問題なし
  • 最終的には「ホットスポットON中にネット接続が維持されるか」で判断

実機の出力例(参考)

インターフェイス名: Wi-Fi
    ドライバー               : Intel(R) Wi-Fi 6E AX211 160MHz
    ベンダー                 : Intel Corporation
    プロバイダー             : Intel
    日付                     : 2025/07/21
    バージョン               : 23.160.0.4
    INF ファイル             : oem105.inf
    種類                     : ネイティブ Wi-Fi ドライバー
    サポートされる無線の種類 : 802.11b 802.11g 802.11n 802.11a 802.11ac 802.11ax
    FIPS 140 モードのサポート : あり
    802.11w 管理フレーム保護をサポートする: はい
    ホストされたネットワークのサポート: いいえ

⚠️ ここで「ホストされたネットワークのサポート: いいえ」と出ていても気にしなくて大丈夫です。これは古いnetsh hostednetwork方式(レガシーAPI)の対応可否を示すもので、Windows 10/11標準のモバイルホットスポットは別の新しい仕組みを使っています。AX211はモバイルホットスポット(STA+AP同時動作)に対応しているため、この表示が「いいえ」でも②は問題なく動作するんですよね。

自分も最初は「いいえ」を見て「これダメなやつでは…?」と一瞬勘違いしかけました😅 なおサポートされる無線の種類に802.11ax(Wi-Fi 6/6E)まで並んでいる通り、機能は十分です。実際のリンク速度は子機(Wi-Fi 5世代)側に合わせて確立されます。


4. DRIVERとVIEWERの導入(共通手順)

①②どちらの接続方法でも、ここまでは共通です。

Windows側にDRIVERを入れる

  1. PCのブラウザでspacedesk.netを開く
  2. Driver available for: Windows 11/10のボタンから、Windows用DRIVER(MSIインストーラー)を取得

  1. インストーラーを実行(途中でドライバ署名やネットワーク許可を求められたら許可)
  2. インストール後、必要なら再起動
  3. spacedeskのサーバーアプリを起動し、ステータスがON / 待ち受け状態になっていることを確認

⚠️ ファイアウォール許可のダイアログが出たら、プライベートネットワークにチェックを入れて許可してください。ここでパブリックだけにすると後で繋がらずに悩むやつです。

子機にVIEWERを入れる

子機の種類に応じて、対応ストアからVIEWERを入れます。

  • iPad mini第5世代 → App Store
  • Fire HD 10 → Amazonアプリストア
  • Androidタブレット → Google Play


5. 接続方法①同じWi-Fiルーター経由

自宅や社内など、PCとタブレットを同じWi-Fiルーターに繋げる環境ならこれが最短です。実際、手元のタブレット(Android / Fire HD 10 / iPad mini第5世代)いずれもこの方法で問題なく動作しています。

両方を同じWi-Fiに繋ぐ

  1. PCをWi-Fiルーターに接続(普段のネット接続のままでOK)
  2. タブレットを同じルーターのSSIDに接続
    • ここがポイントなんですよね。別のSSID(2.4GHz/5GHzで別名など)だと繋がらないことがあるので、できれば同じものに揃えるのが安全です

spacedesk VIEWERで接続

  1. タブレットでspacedeskアプリを起動
  2. 同じLAN上のPCが一覧に自動表示される → タップして接続
  3. 表示されない場合は、PCのローカルIPを手動入力
  4. 接続すると、タブレットがセカンドディスプレイとして認識される

⚠️ PCのIP確認は、コマンドプロンプトでipconfigを実行し、Wi-FiアダプターのIPv4アドレス(例: 192.168.1.x)を入力します。

ここまで来たら接続は完了です。あとは後述の「拡張ディスプレイの調整」へ進んでください。


6. 接続方法②モバイルホットスポット

出張先・移動中・閉域・電波が弱い場所など、ルーターに頼れない場合はこちらです。PC自身をアクセスポイントにして、PC・タブレットだけの閉じたLANを作ります。

この方法の強みは、インターネットがなくても成立すること。回線もルーターもない場所で、PC 1台あれば拡張ディスプレイが作れます。画面データはPC・タブレット間で完結し、外部やクラウドを経由しないので、閉域でも使いやすいんですよね🤗

ホットスポットの設定

  1. 設定 → ネットワークとインターネット → モバイルホットスポット
  2. インターネット接続を共有する: ネットも子機へ流したい場合のみ共有元を選択(ディスプレイ用途だけなら不要)
  3. 共有する方法: Wi-Fi
  4. プロパティの編集で以下を設定:
    • ネットワーク名(SSID): 任意
    • パスワード: 推測されにくい強固なものに変更(初期値のままにしない)
    • 帯域: 可能なら5GHzを選択
  5. トグルをオン

5GHzで配るためのコツ

STAとAPは同じチャンネルで動くため、配信帯域は受信元に引っ張られます。

  • ホットスポットを5GHzで出したい → PC自身も5GHzのSSIDに接続しておく
  • 接続先APが2.4GHzだと、ホットスポットも2.4GHzになりやすい

省電力で切れないようにする

  1. デバイスマネージャー → ネットワークアダプター → 該当Wi-Fiアダプター
  2. プロパティ → 電源の管理
  3. 「電力の節約のために…オフにできるようにする」のチェックを必要に応じて外す
  4. ノートはAC接続推奨(受信+配信+エンコードで発熱・消費電力が増えるため)

ネット共有ありなら表示とWebアクセスを両立できる(帯域は共有する)

ホットスポット設定で「インターネット接続を共有する」を有効にしておけば、子機側でspacedeskの画面表示とWebアクセスを同時に使えます。ホットスポットに繋ぎながらタブレットでブラウザや通信アプリを動かせます。

⚠️ただしトレードオフがあります。

  • ホットスポットは1本のWi-Fiを「画面転送」と「子機のネット通信」で共有するため、帯域を食い合います。子機で重いWeb通信をすると、そのぶん画面転送に回る帯域が減り、表示の遅延・カクつきが出やすくなる
  • さらに親機側も、STA(ネット受信)+ AP(配信)を1枚で兼ねるので、全体のスループットは元から控えめ

使い分けの目安はこんな感じです。

  • 表示の滑らかさ最優先 → ネット共有オフ。画面転送に帯域を専念
  • 子機でもネットを使いたい → ネット共有オン。表示品質は多少譲る前提で、軽いWeb閲覧・チャット程度なら実用的

タブレットをホットスポットに接続

  1. タブレット: 設定 → Wi-Fi
  2. 上で設定したSSIDを選択し、パスワードを入力して接続
  3. (iPadなど)対象SSIDの「i」アイコン → 自動接続をオンにしておく(勝手に他のWi-Fiへ乗り換えないように)
  4. 「インターネット未接続」と表示されても、ローカル通信は可能なので問題なし
  5. spacedeskアプリを起動 → PCが一覧表示される → 接続
    • 表示されない場合は、PCのIP192.168.137.1を手動入力

ネット共有なしで運用すると、受信元Wi-Fiと配信を切り離せるため無線リソースの食い合いが減り、画面転送に余裕が出ます。ディスプレイ用途だけならこの形が軽くて安定するんですよね。


7. 拡張ディスプレイの調整

①②どちらで繋いでも、ここは共通です。

表示モードの設定

  1. PC: 設定 → システム → ディスプレイ
  2. タブレットのディスプレイを選択
  3. 表示モードを「表示画面を拡張する」に設定(ミラーリングではなく拡張)
  4. 画面の配置(左右・上下)を実際の置き位置に合わせてドラッグ
  5. 解像度・スケールを調整(小さい画面はスケール拡大が見やすい)

画質・遅延の調整(spacedesk側)

  • spacedeskの設定で解像度やフレームレートを下げると、遅延が軽くなる
  • iPad mini第5世代(A12 / Wi-Fi 5)は性能に余裕があり、資料表示はもちろん、ある程度踏み込んだ拡張用途にも耐えてくれる印象
  • Fire/Androidの実用上のコツとして、タブレット側の自動回転をオフにしてからspacedeskを起動すると安定しやすい

ペン入力で液晶ペンタブレットとして使う

spacedeskのVIEWERは筆圧対応のスタイラス入力に対応しています。Apple Pencil対応のiPad(mini第5世代もその一つ)なら、拡張ディスプレイ上に映したPCのお絵描き・注釈アプリを画面に直接ペンで操作でき、簡易的な液晶ペンタブレット(液タブ)として使えます。

  • iPad側でspacedesk接続中に、PC側の対応アプリ(ペイント系・PDF注釈・ホワイトボードなど)をiPadのペンで直接操作する形
  • ただし無線経由なので、本格的なお絵描き用途では遅延・筆圧の追従に専用の液タブほどの精度は期待しにくい。メモ書き・図への注釈・ラフスケッチあたりが現実的な用途
  • 遅延が気になる場合は、②モバイルホットスポット直結(ネット共有オフ)にすると無線リソースを画面・入力に専念できて有利

おわりに

古いiPadに新しい利用方法を考えた結果の内容でしたが結構いい感じになったのではないかと思います。 「ケーブルを使わず、手元のタブレットをマルチディスプレイにしたい」という要件はありましたが、選択肢を消去法で絞った結果、

  • 有線は「充電と通信を分けたい・分岐アダプタも使いたくない」という理由で除外
  • IPアプリ方式(spacedesk)なら、同一LANさえあれば成立する

という流れでspacedeskを選択しました。

そして肝心の「同一LANの作り方」は、2通り

  • ①同じWi-Fiルーター経由 … ルーターがあるなら最短。普段使いはこれで十分
  • ②モバイルホットスポット … ルーターに頼れない場所のための切り札。インターネットがなくても成立し、閉じたLANで完結する

今回、Androidタブレット / Fire HD 10 / iPad mini第5世代のいずれでも、①②両方の接続で動作することを確認できました。とりわけ②は、インターネット接続がない状態でも拡張ディスプレイが成立するのが面白いところで、「ホットスポット=ネットを配る機能」という一般的なイメージとは逆に、ネットとは無関係に、PCとタブレットをつなぐ"線の代わり"として使えるわけなんですよね🤗 これにより、新幹線・飛行機・閉域の現場など、回線もルーターもない場所でも2画面環境が立ち上げることができます。

普段使いは①で十分、いざという時に②がある。この二段構えにしておくと、自宅でも出張先でも同じ道具立てで対応できます。さらにApple Pencil対応のiPadなら、サブディスプレイ兼・簡易的な液晶ペンタブレットとしても使えるので、手持ちのiPadの活躍の場がぐっと広がります。spacedeskもタブレットも基本無料・手元の機材で完結するので、「眠りかけていたiPadに第二の人生を」という気持ちでやってみるのもオススメです😊

液晶タブレットのようにペンで書くことができるので、LLMへの入力する画像はこれを使用することが増えてきました。簡単な図があると画像生成にも大きな効果ありますよ!

参考リンク