ゲーミングPCじゃなくても動くの?Copilot+ PCでローカルLLMに挑んでみた

今回でいよいよ最終回、5回目のDell Pro 13 Premiumガチレビューとなります。


本記事は、デル アンバサダープログラムのモニターに参加し、Dell Pro 13 Premiumをお借りしてレビューしています。 #デルアンバサダー #DellPC #DellPro13Premium #ノートPCレビュー


これまでのレビューに関しては以下を参照してください。

参考



1. 「重要な情報をクラウド上のAIに読ませていいの?」問題

これまでの内容で、Windows Studio EffectsやLive Captions、Recall、Copilot in Windowsなど、Copilot+ PCに標準搭載されたAI機能を順番に試してきた。どれも「AIがOSの一部として自然に存在している」という感覚が新鮮で、仕事の中でちょっとしたタスクをAIに任せることができそうだな、という手応えがありました。

しかし、「AIが便利なのは分かった。でも、重要な情報をクラウド上のAIに読ませていいのか?」と感じているのはもっともな話である。特に企業で働いている人なら、社外秘の資料や顧客情報をAIに入力するのはリスクがあると感じるのは当然だろう。企業によっては社内規定でクラウドAIへの入力を禁止しているところもあるだろう。

そこで今回はそんな方々にも興味があるだろうと思われるローカルLLMについて実験をしてみた。ローカルLLMは、クラウドに一切データを送らず、手元のPC上だけでAIを動かすということになる。処理はすべてPC内部で完結するので、入力した文章が外に漏れる心配はない。

「でもそれって、めちゃくちゃハイスペックなPCじゃないと動かないんじゃ?」

今回お借りしているDell Pro 13 Premiumは 32GBメモリ、512GB SSD、Intel Core Ultra 7 268V という構成。ゲーミングPCのようなGPUは積んでいない13インチのモバイルノートだ。果たしてこのマシンで実用的にローカルLLMは動くのか?

2つの代表的なプラットフォームである、OllamaLM Studioで実際に試してみた。


2. Ollamaを実行する

Ollamaとは

Ollamahttps://ollama.com )は、ローカルLLMを動かすためのオープンソースツールだ。コマンドラインから ollama run モデル名 と打つだけでLLMが起動するという、シンプルさが売り。

最近では、Windows版もリリースされプロセスが常駐化したり、GUIのデスクトップアプリがデフォルトで使えるようになったりと、どんどん進化している。

インストール

Ollamaのインストール自体はとても簡単だ。公式サイト(https://ollama.com/download )からWindows用のインストーラをダウンロードして実行するだけ。特別な設定もなく、数分で完了する。

モデルのダウンロードと実行

インストールが終わったら、さっそくモデルを動かしてみる。 コマンドプロンプトやPowerShellを開いて、以下のコマンドを打つ、またはWebのUIからモデルを選択して起動するだけで、ローカルLLMが立ち上がる。

コマンドラインの例

PS> ollama run gemma3:4b

初回はモデルのダウンロードが走るので時間がかかるが、ダウンロードが終わればすぐにチャットが開始される。 (次回以降はダウンロードされたモデルを使用するため時間はかからない。)

どんなモデルが動く?32GBメモリでのチェック

Dell Pro 13 Premiumは32GBのメモリを搭載している。ローカルLLMでは「メモリがどれだけあるか」が動かせるモデルのサイズをほぼ決める。以下、実際に試したモデルと体感をまとめてみた。

モデル パラメータ数 ダウンロードサイズ 動作状況 体感速度
gemma3:4b 4B 約3GB 問題なく動作する そこそこ実用レベルで動作する
phi4-mini 約3.8B 約2.5GB 問題なく動作する 生成結果が今ひとつ
qwen3:8b 8B 約5GB 問題なく動作する Thinkingモデルなので生成までが遅いが質はよい

4B〜8Bクラスのモデルなら十分に動作しますね

資源消費を見てみる

ローカルLLMを動かしている最中、PCにどれだけ負荷がかかっているのかをタスクマネージャーで確認してみた。

gemma3:4b 実行中

ちなみに、OllamaはデフォルトではCPUで推論を実行する。Intel Core Ultra 7 268Vに内蔵されているIntel Arc GPUを活用したい場合は、IntelのIPEX-LLMというライブラリ経由でOllamaを動かす方法もあるらしい。(未確認)


3. LM Studioを実行する

LM Studioとは

LM Studiohttps://lmstudio.ai )は、ローカルLLMをGUIで操作できるデスクトップアプリだ。ChatGPTのようなチャット画面が最初から用意されていて、モデルの検索・ダウンロード・実行まですべてマウス操作で完結する。

ターミナルを触りたくない人にとっては、こちらのほうが圧倒的に取っつきやすい。

インストール

LM Studioの公式サイト(https://lmstudio.ai )からインストーラをダウンロードして実行する。こちらもOllama同様、特に迷うことはない。

モデルのダウンロードと実行

LM Studioを起動すると、左側にモデル検索バーがある。ここでモデル名を検索して、ワンクリックでダウンロードできる。

たとえば gemma-3-4b と検索すれば、量子化レベル(Q4、Q8など)の異なるバリエーションがずらっと表示される。メモリ容量に応じて適切なものを選ぶだけ。これは本当に便利だ。

ダウンロードが完了したら、チャット画面に切り替えて、右上からモデルを選択すればすぐに会話を始められる。この「ChatGPTっぽい体験」がローカルで完結するのは、初めて触ると結構感動する🤗

⚠️LM StudioではLLMの動作時のランタイムが自動で選択されます。今回のPCではIntelのGPUが搭載されているのでVulkanが選択されています。OllamaではCPUが選択されているので、少し高速に動作しますね。また、LM Studio起動中でもこのランタイムを変更できる点がいいですね。

資源消費を見てみる

LM Studio実行中のリソース消費も確認してみた。先程も書きましたが、ランタイムが適切に選択されるので、初期状態ではVulkanが選択され、生成時はGPUが動作します。CPUに負荷がかからないので余裕がある印象です。

gemma3 4B 実行中(LM Studio)


おわりに

Dell Pro 13 PremiumでローカルLLMは「使えた」のか?

結論から言えば、4B〜8Bクラスのモデルであれば、実用的かなという印象である。ただし、応答速度に満足できるかというと、モデルやタスクによっては「ちょっと待ち時間が長いな」と感じることもある。特に複雑な質問や長文の生成をさせると、クラウドAIと比べて明確に遅い。

32GBのメインメモリの効果は大きく、8Bモデルを動かしながら他のアプリを開いていても余裕があるとは感じる。

ただし、正直に言って クラウドのChatGPTやClaudeと同じ品質を期待してはいけない。ローカルLLMで動かせるモデルは、パラメータ数がクラウドのものと比べて大幅に小さい。出力の品質、特に日本語の自然さや複雑な推論力では明確に差がある。

「ちょうどいい使い方」はこんな感じだろうか?

  • ダミーデータでのメール下書き生成(要点を箇条書きで渡して、文章にしてもらう)
  • 議事録や文章の要約(2,000〜3,000字程度なら要約できそう)
  • オフラインでのちょっとしたやり取り(例えば、ある技術用語の意味をざっくり知りたいときなど)

逆に、長い文書の分析や高度な推論が必要なタスクは素直にクラウドAI(ChatGPTやClaude)に任せたほうがいい。

機密性で選ぶならローカル、品質で選ぶならクラウド。この使い分けが現時点でのベストだと思う。

連載レビューを終えて

全5回にわたって、Dell Pro 13 PremiumというCopilot+ PCを「日常の仕事道具」として使ってみた。

第1回では道具としての基本性能を確認し、第2回ではWeb会議でのNPUの恩恵を実測データで可視化した。第3回ではLive CaptionsやRecallといったCopilot+ PC独自の機能を試し、第4回ではCopilot in Windowsの立ち位置をChatGPTやClaudeと比較した。そして今回、ローカルLLMという「もうひとつの選択肢」を検証した。

振り返ってみると、Copilot+ PCの強みは 「AIが特別なものではなく、OSの一部として自然に存在している」 という点に尽きる。Studio Effectsは会議中に意識することなくNPUで動き、Live Captionsはショートカットキー一つで字幕が出る。そしてローカルLLMも、32GBメモリのおかげで「ちょっと重めのアプリ」程度の感覚で動かせる。

「AI PCは"相棒"になれるのか?」という問いに対する答えは、

「すでに相棒になりかけている。ただし、まだ新入りの後輩くらいの距離感。」


全5回のレビューを読んでいただき、ありがとうございました!

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