【完全自分向け】ESP32ファミリーを調べてみたメモ

2025年度は色々あって電子工作関連のことから結構離れていたので、ちょっとリハビリをしようと思いました。 特に、ESP32系のチップに関しては定期チェックもしていなかったので、この際ちょっとまとめてみました。

完全自分用のメモ。間違っているところがあったら、正直教えてほしいです🫠


1. ESP32シリーズの全体像

ESP32シリーズは、用途・世代に応じて以下のように整理できる。

系統 コアアーキテクチャ 主なターゲット
ESP32(初代) Xtensa LX6 汎用IoT・レガシーBT互換
Sシリーズ(S2/S3) Xtensa LX7 USB・セキュリティ・マルチメディア
Cシリーズ(C2/C3/C5/C6) RISC-V 低コスト・低消費電力IoT
Hシリーズ(H2) RISC-V Thread/Zigbee超省電力メッシュ
Pシリーズ(P4) RISC-V 高性能HMI・エッジ処理

⚠️上記の分類は用途・アーキテクチャに基づく整理。公式にはシリーズ名(ESP32/ESP32-S3/ESP32-C6 など)で扱われている模様。


2. CPUアーキテクチャ別の整理

ESP32ファミリはCPUアーキテクチャで2系統 に分かれている。

Xtensa系(Cadence / 旧Tensilica)

初期~中期のラインナップ。ESP-IDFやArduinoフレームワークの情報・実績が多い印象。

SoC コア世代 コア数 最大クロック
ESP32(初代) Xtensa LX6 デュアル ~240MHz
ESP32-S2 Xtensa LX7 シングル ~240MHz
ESP32-S3 Xtensa LX7 デュアル ~240MHz

RISC-V系

C・H・Pシリーズの新しいラインの多くはRISC-Vに移行している。

SoC コア数 最大クロック
ESP32-C2 シングル ~120MHz
ESP32-C3 シングル ~160MHz
ESP32-C5 シングル ~160MHz
ESP32-C6 シングル(+LP コア) ~160MHz
ESP32-H2 シングル ~96MHz
ESP32-P4 デュアル(+LP コア) 最大400MHz(公式発表値。量産仕様は変動の可能性あり)

移行のトレンド?

  • 時系列で見ると 初代・Sシリーズ → XtensaC・H・Pシリーズ → RISC-V と世代交代が進んでいる。
  • RISC-VはオープンISAのためライセンスコストが不要で、低コスト化・カスタマイズ性の面で有利。
  • P4がRISC-Vデュアルコアで400MHzクラスという設計であることから、RISC-V側でハイパフォーマンス領域まで拡張していく意図が読み取れる。

👉️Xtensa系(特にESP32-S3)は引き続き広く使われている様子。

【用語】ISA(Instruction Set Architecture)とは

ISA(命令セットアーキテクチャ)は、CPUが理解・実行できる命令の仕様セットのことを指します。 ソフトウェアとハードウェアの間の決め事で「どんな命令が使えるか」「レジスタは何本あるか」「メモリはどうアドレスするか」といった、CPUの動作の設計図。

ISA ライセンス ESP32での採用
Xtensa プロプライエタリ(Cadence社)。利用にはライセンス料が必要 初代ESP32、S2、S3
RISC-V オープンソース。誰でも無料で使え、独自拡張も自由 C2、C3、C5、C6、H2、P4

EspressifからRISC-Vへ移行しているのは、ライセンスコスト削減に加えて、自社でAI/DSP向けなどの命令セットをカスタム拡張しやすいメリットが大きいようです。


3. SoCごとの機能比較

SoC CPU / コア クロック 無線 主な用途
ESP32(初代) Xtensa LX6 デュアル ~240MHz Wi-Fi 2.4GHz + BT Classic + BLE オーディオ、レガシーBT機器、ESP-NOW、汎用IoT
ESP32-S2 Xtensa LX7 シングル 240MHz Wi-Fiのみ(BTなし) USBデバイス/ホスト、セキュリティ重視、低消費電力
ESP32-S3 Xtensa LX7 デュアル 240MHz Wi-Fi 2.4GHz + BLE 5 USB + AI拡張、カメラ・音声などマルチメディア汎用
ESP32-C3 RISC-V シングル ~160MHz Wi-Fi 2.4GHz + BLE 5 安価なセンサーノード、シンプルIoT、RISC-V学習
ESP32-C6 RISC-V ~160MHz Wi-Fi 6 + IEEE 802.15.4(Thread/Zigbee)※Matter対応可 Matter/Threadスマートホーム ゲートウェイ/ノード
ESP32-H2 RISC-V ~96MHz IEEE 802.15.4(Thread/Zigbee)+ BLE 5(Wi-Fiなし) 超省電力Thread/Zigbeeエンドデバイス
ESP32-P4 RISC-V デュアル 最大400MHz 無線なし(Wi-Fi/BLEは外部チップ併用) HMI、画像/音声処理、演算負荷の高いエッジ処理

👉️各SoCのメモ

  • ESP32(初代) … BT ClassicとBLEの両方に対応する数少ないSoC(現行ESP32ファミリではこれが代表的)。情報量が最も多く入門向き。
  • ESP32-S2 … BTを削りWi-Fi+USB OTGへ
  • ESP32-S3 … S2にBLE 5などを追加した。USB内蔵。
  • ESP32-C3 … RISC-Vコア採用で安価。
  • ESP32-C6 … Wi-Fi 6 + Thread/Zigbeeに対応。
  • ESP32-H2 … Wi-Fiを持たず、Thread/ZigbeeとBLEに特化した超省電力SoC。バッテリ駆動のメッシュ端末向け。
  • ESP32-P4 … 無線は非搭載で外部チップと連携して使う思想。ディスプレイ・カメラ・ボイス処理向け。

4. 技適クリア済み 代表ボード

まとめようと思ったら多すぎた…😫以下を検索してもらった方がいいですね🙇

【参考】 https://www.switch-science.com/search?q=ESP32


5. 選び方フローチャート?

ESP32ファミリーが多すぎて迷ったときのための選び方フロー

👉️ ESP32 Versions Explained: Which Board Should You Buy? (2026) – Esp32.co.uk

Wi-Fiは必要?
├── いいえ
│   └── Thread/Zigbee/BLEのメッシュ通信がしたい?
│       ├── はい → ESP32-H2(超省電力メッシュ端末)
│       └── いいえ → ディスプレイやカメラなど高性能処理?
│           ├── はい → ESP32-P4(+外付けWi-Fi/BLEチップ)
│           └── いいえ → 再考
│
└── はい
    └── Thread/Zigbee(Matter)も必要?
        ├── はい → ESP32-C6(Wi-Fi 6 + Thread + BLE)
        └── いいえ
            └── BT Classicが必要?
                ├── はい → 初代ESP32(BT Classic対応はこれだけ)
                └── いいえ
                    └── カメラ/ディスプレイ/AI処理が必要?
                        ├── はい → ESP32-S3(デュアルコア+AI拡張)
                        └── いいえ
                            └── とにかく安く・小さく済ませたい?
                                ├── はい → ESP32-C3(RISC-V・最安クラス)
                                └── いいえ → ESP32-S3(汎用の本命)

迷ったら…

  • 初めてESP32を触る → 初代ESP32(情報量で圧倒)
  • 新規設計で汎用的に使いたい → ESP32-S3(迷ったらこれ?)
  • スマートホーム/Matterを試したい → ESP32-C6

6. 用途別早見表

やりたいこと おすすめSoC 技適済みボード例
とりあえずESP32を触りたい 初代ESP32 ESP32-DevKitC-32D / Lolin D32
タッチLCD付きHMIを作りたい ESP32-S3 WT32-SC01 Plus
超小型でS3を使いたい ESP32-S3 Seeed XIAO ESP32S3
Arduino互換フォームでS3 ESP32-S3 Arduino Nano ESP32
Matter/Thread対応IoTを評価 ESP32-C6 ESP32-C6-DevKitC-1(純正)
Wi-Fi 6でスマートホーム系 ESP32-C6 Waveshare ESP32-C6 開発ボード

7. Arduinoハードウェアからの移行

同じ部分

  • 開発環境 … Arduino IDEがそのまま使える。ボードマネージャでESP32を追加するだけ。
  • コード構造 … setup() / loop() の構造は同じ。digitalWrite()analogRead()Serial.println() なども同じAPIで使える。
  • ライブラリ … ハードウェア非依存のArduinoライブラリ(Wire、SPI、Servoなど)の多くはそのまま動作する。

異なる部分

  • 動作電圧 … Arduino Uno系は5V、ESP32は3.3V。センサーやモジュールの接続時にレベル変換が必要な場合がある。
  • ピン番号 … Arduino UnoのD0〜D13/A0〜A5のような統一的な番号体系ではなく、GPIOの番号で直接指定する。ボードごとにピンアウトが異なるため、要確認。
  • ADC精度 … ESP32のADCは12ビット(0〜4095)で、Arduino Unoの10ビット(0〜1023)とは範囲が異なる。
  • 電源・消費電力 … Wi-Fi/BLE動作時の消費電力はArduinoより大きい。バッテリ駆動ではDeep Sleep活用が重要。
  • マルチタスク … ESP32はFreeRTOSが動いており、xTaskCreate() でマルチタスクが使える。Arduino Unoにはない考え方。
  • Wi-Fi/BLE … WiFi.hBLE 系ライブラリを使えば、Arduino的な書き方でネットワーク接続が可能。

8. 参考リンク

ESP SoCs | Espressif Systems

ESP Modules | Espressif Systems

ESP Product Selector Launched | Espressif Systems

ESP32シリーズまとめ | Lang-ship

ESP32 Versions Explained: Which Board Should You Buy? (2026) – Esp32.co.uk

ESP32 - Wikipedia

ESP32 - Wikipedia

Seeed Studio XIAO ESP32C3 — スイッチサイエンス

Seeed Studio XIAO ESP32C6 — スイッチサイエンス

Seeed Studio XIAO ESP32S3 — スイッチサイエンス

Seeed Studio XIAO ESP32C5 — スイッチサイエンス

Seeed Studio XIAO ESP32S3 Plus — スイッチサイエンス

Seeed Studio XIAO ESP32S3 Sense — スイッチサイエンス