Raspberry Pi 5がまた値上げになりましたね🥲
16GBモデルが60ドルアップで205ドル(約3万円)。しかも2025年12月に値上げしたばかりで、わずか2カ月での再値上げです。原因は世界的なRAM不足とのこと。
このニュースを見て真っ先に思ったのが、
「……小型のローカルLLM用途だと、いよいよデバイス選びはシビアになってきたな」
ということでした。
最近、ラズパイ5にOllamaやllama.cppを入れてローカルLLMを動かすというのを何度か試していますが、まさに今回値上げの対象になっている8GB〜16GBのゾーンが、小型のローカルLLMで一番欲しくなるんですよね。
今回はこの値上げをきっかけに、「小型のローカルLLMを動かすデバイスって、何を基準に選ぶのがいいんだろう?」というのを整理してみました。
- 小型のローカルLLM用途だと、SBCの"美徳"が効かない場面がある
- "分岐点"はRAMだった、「動く/動かない」より「苦しくないか」
- N100系ミニPCも"現実解"になりやすい理由
- 私の意見→小型のローカルLLMデバイスは"専用機"として割り切ると強い
- 現状、自分ならこう選ぶ?
- おわりに
小型のローカルLLM用途だと、SBCの"美徳"が効かない場面がある
SBCはシングルボードコンピュータの略です。そんな代表格のラズパイの魅力は、たくさんあります。
- 小さいこと
- 省電力性
- 情報量が多い(困ったら検索すればだいたい出てくる)
- GPIOがあるので電子工作と一体で試作できる
でも「小型のローカルLLMを回すデバイス」として見ると、評価軸がガラッと変わるんですよね。
小型のローカルLLMって、CPUを短時間ぶん回すというよりもそこそこの負荷を、ずっとかけ続けるに近い使い方になります。すると、勝負所はこうなります。
そして、ローカルLLM用途で欲しくなるRAMは、だいたい8GB〜16GB(場合によってはそれ以上)という現実。今回の値上げが刺さるのは、まさにこのゾーンです。
ラズパイって、本体価格だけでは済まないんですよね。ローカルLLMとしてまともに動かそうと思ったら、ACアダプター、冷却ファン(またはクーラー付きケース)、M.2 HATとNVMe SSD…と、周辺機器がどんどん積み上がっていく。本体が205ドルでも、一式揃えると3万円後半〜4万円台に届くことも珍しくありません。
こうなってくると、「最初からストレージも冷却も込みで2〜3万円台」のN100ミニPCが視界に入ってくるわけです。
"分岐点"はRAMだった、「動く/動かない」より「苦しくないか」
ここ、実際に触ってみるとめちゃくちゃ実感するところです。
小型のローカルLLMは「動くか動かないか」よりも「苦しくないか」が体感の差になります。
RAMがギリギリの状態で動かすと、一応動くんですが、遅い・不安定・スワップ地獄・温度上昇で落ちる…という感じで、正直使い物にならないことが多い。一方でRAMに余裕があると、生成速度が劇的に上がるというよりは「ストレスが減る」印象です。落ちない、待たない、それだけで体験がぜんぜん違う。
なので、小型のローカルLLM用途のデバイス選びは、こう言い換えてもいいんじゃないかと思っています。
CPU選びじゃなくて、まず"RAMサイズ選び"。
ここが決まると、自然に「どういうハードがラクか?」が見えてきます。
N100系ミニPCも"現実解"になりやすい理由
ラズパイ vs N100ミニPC の議論をすると、つい「どっちが速い?」に寄りがちなんですが、私が大事だと思っているのは速度よりもこっちです。
"PCとして完成している"のが地味に強い
小型のローカルLLMって、結局ストレージ・メモリ・冷却の土台勝負なんですよね。
ミニPCは最初からその土台が揃っている個体が多い。NVMe前提の製品が多いのでモデル入れ替えの体感もいいですし、メモリ構成も12GB/16GB/32GBなど現実的な選択肢がある。そしてx86_64の「普通のLinux」として扱えるので、環境構築でハマることが少ない。
⚠️ ただし、ここでいうN100ミニPCは OSをLinuxに入れ替える前提 です。Windowsのまま使うと、OSのオーバーヘッドでリソースが食われて、パフォーマンス的にラズパイに負けるケースが普通にあります。せっかくのハード性能をWindowsに持っていかれるのはもったいないので、Ubuntu Serverや軽量Linux辺りを入れて「LLM専用機」として使うのがおすすめです。
失敗の種類が少ない
SBCでも「できる」んですが、その分"工夫の余地"が多い分、小型のローカルLLM用途では落とし穴の種類が増える方向にも働きやすくなってしまいます。
- 冷却(ファン、ケース、サーマル設計)
- ストレージ(USB SSDで妥協して後悔するパターン)
- 電源(地味に効く)
ミニPCは、雑に言うとこのあたりが「最初から相対的にラク」です。もちろんミニPCにもハズレはあるので、そこは注意が必要ですけど🤔
じゃあラズパイは選択肢もれになっちゃう?
ここが今回一番考えたところなんですが、私の結論は現状では「主役じゃない」に寄りました。
ラズパイのGPIOは魅力的です。でも、ローカルLLMを動かす用途ではGPIOを使わない可能性が高い。
さらに言うと、GPIOの役割って、USB接続にした小型マイコン(XIAOやESP32など)に任せてもいいんですよね。
この発想を採用すると、ラズパイが持っていた「電子工作との統合価値」が、ローカルLLM用途では必須じゃなくなります。
つまり、デバイス選びが純粋に
- LLMを回す性能・安定性
- 運用のラクさ
- コスト
に寄っていく。こうなると、SBCを選ぶ理由は「趣味」か「何らかの縛り条件がある場合」になりやすいと感じています。
私の意見→小型のローカルLLMデバイスは"専用機"として割り切ると強い
今回いろいろ考えてみて、こういう割り切りが一番いいんじゃないかと思いました。
- LLMデバイス(N100ミニPCなど) … 推論・前処理・UI・ログ保存
- I/O担当(XIAO / ESP32など) … センサー / スイッチ / 制御
- 連携はUSB / シリアル / MQTT / WebAPIのどれか(好きなのでOK)
この分離のメリットはシンプルで、
- 本体は熱・ストレージ・RAMに集中できる
- I/Oはリアルタイム性と安定性に集中できる
- 片方が死んでももう片方が巻き込まれにくい
そして何より、「ラズパイじゃないとダメ」から解放されます。こういった考え方であれば、扱いやすい開発環境なんかもミニPC側で動かして、I/O側のマイコンとMQTTで連携させれば、かなり柔軟な構成が組めるんじゃないかと。
現状、自分ならこう選ぶ?
小型のローカルLLM用途でデバイスを選ぶとき、私の判断基準はこんな感じです。
- まずRAM … 迷ったら多い方を選ぶ(余裕は正義)
- ストレージはNVMe優先 … モデルの入れ替え運用がラクになる
- 冷却が弱そうなデバイスは避ける … 連続生成で落ちるとつらい
- 用途がLLM中心なら、SBCに寄せる理由は薄い
そしてもうひとつ。N100系のミニPCって、今かなりの数が出荷されているんですよね。企業のシンクライアントや教育用途、個人のサブ機として。これだけ出回っていると、数年後には中古市場にかなりの台数が流れてくることが容易に予測できます。そうなれば、小型のローカルLLM用のデバイスとしてはさらにコスパが良くなる。「今すぐ必要」でなければ、中古を狙うのも十分アリかなって思います。
⚠️ ちなみに、N100系ミニPCも製品によって冷却設計がかなり違います。ファンレスモデルは静かでいいんですが、LLMのような連続負荷には向かないことが多いので、そこは要注意です。
おわりに
内容としてN100がという感じにしてますが、IoT関連でAIを使用したいという需要はあると思うので個人的にはRaspberryPiを使いますけどね😊 今回のようなラズパイの値上げニュースを見て「終わった」と言うのは雑だと思います。8年ほどラズパイを触ってきた身としては、あの小さなボードが持つ魅力は変わらないし、教育やプロトタイピングの現場では相変わらず最強だと思っています。
でも同時に、ローカルLLM専用といった用途では「ラズパイが万能」でもないのも事実。
今回の値上げニュースは、ラズパイとの別れではなく、役割分担をキチンと考えるタイミングだったんじゃないかなと。
適材適所で、それぞれの得意なことをやらせる。IoTの世界ではずっとそうやってきたわけで、LLMデバイス選びも同じ考え方でいいんだと思います。
⚠️この記事書いていて、N100の価格帯見ていたら新品のN100ミニPCも結構見当たらなくなってきている様子うーん。
参考リンク