【実践】AI活用×ChatGPTで作る!TRIZ問題解決カスタムGPTの作り方

イデアを改良したい、でもどう考えればいいか分からない——そんな経験はありませんか?

自分の研究がそういったアイディエーションの支援型の領域に入ってきたので、教授からTRIZ(発明的問題解決理論)を紹介されました。これを調べるうえでどういうものなのかを自分でも体感するためにプロトタイプの作成を行ってみることにしました。

プロトタイプは、TRIZを使ったアイデア改良のカスタムGPT(GPTs)となります。 また、時短を目指すために設計、構築はLLMに依頼して作成を行うことにしています。

TRIZって何?

TRIZ(トゥリーズ)は、旧ソ連の発明家ゲンリッヒ・アルトシュラーが約40年かけて200万件以上の特許を分析し、体系化した創造的問題解決の手法です。

参考

ja.wikipedia.org

TRIZの考え方、「矛盾の解消」

多くの問題は「一方を良くすると、他方が悪くなる」というジレンマを抱えています。 矛盾というよりもトレードオフという言葉の方がわかりやすいかもしれません。

よくある矛盾の例

  • 強度を上げたい → 重くなってしまう
  • バッテリーを長持ちさせたい → サイズが大きくなる
  • セキュリティを強化したい → 使いにくくなる
  • 回転率を上げたい → 顧客満足度が下がる

TRIZでは、こうした矛盾を諦めるべきトレードオフではなく、解消できる課題として捉えています。

40の発明原理とは

更に、アルトシュラーは、優れた発明には共通のパターンがあることを発見しました。それを40の原理として整理したのが40の発明原理です。

代表的な原理の例

  • 分割:対象を独立した部分に分ける

    • 例)セクション家具、モジュラー設計、板チョコの割れ目
  • 入れ子:物を内部に収める

  • 逆発想:通常とは逆の動作を考える

    • 例)回転寿司(料理人が届けるのではなく、客が取りに行く)
  • 統合:複数の機能を1つにまとめる

これらの原理を組み合わせることで、創造的な解決策が生まれます。

なぜTRIZが有効なのか

従来の発想法はひらめき経験に頼りがちでした。しかし、TRIZは以下のことができるように工夫されています。

  • 体系的 … 200万件の特許から導き出された実証済みの方法
  • 再現可能 … 誰でも学んで使える
  • 実践的 … 製品開発からビジネスモデルまで幅広く応用可能

つまり、「天才のひらめき」ではなく、再現性の高い「学べる技術」として問題解決手法にしています。

なぜこのカスタムGPTを作ったのか

研究でどこまで使えるかわからないのに組み入れることはできないので、こちらに関しては施行も込めて作成しています。うまく使えるようであれば、実際に研究のシステムにも入れてみようかなと思います。

そのテストとして「TRIZ初心者向けのアイデア改良支援GPT」を作します。以下を目標にします。

1) TRIZを実践的に学ぶツールが欲しかった

  • 理論だけでなく、実際のアイデア改良を体験したい
  • 初心者でも気軽に使えるものを

2)カスタムGPT(MyGPT)の作り方を学びたかった * 実際に作ることで、設計のポイントを理解 * LLMを活用した効率的な開発プロセスを体験

LLMを活用したGPT設計

今回、カスタムGPTの設計をドキュメントの作成LLMにお願いしました。

作成物

  • Instructions(指示文) … GPTの役割、対話の進め方、出力フォーマットなど
  • 知識ベース … 40の発明原理の詳細解説、21の実践ケーススタディ

設定した要件

  • 対象ユーザーは一般の人(初心者向け)
  • 親しみやすいトーン(絵文字を使用)
  • Web Browsingで最新事例を検索
  • 実践的なアイディエーション体験

カスタムGPTの作成手順(実践編)

ここからは、実際にChatGPTでカスタムGPTを作る手順を詳しく説明します。

前提条件

  • ChatGPT PlusまたはEnterpriseのアカウントが必要です
  • 無料版では作成できないのでご注意ください

1. GPT作成画面を開く

ChatGPTにログインし、画面左側のサイドバーにある【GPT】の【調べる】をクリックします。

ウインドウの右上にある【+ 作成する】ボタンをクリック

すると、GPT作成画面が表示されます。

2. 基本情報を入力

画面上部の【構成】タブをクリックし、以下を入力します。

  • Name(名前) … TRIZ イノベーター
  • Description(説明) … TRIZの40の発明原理を活用して、あなたのアイデアを体系的に改良・強化します。TRIZ初心者でも分かりやすく、実際にアイディエーションを体験しながらTRIZの考え方を学べます。

3. 指示を設定

【指示】のテキストボックス欄に、GPTの動作を定義する詳細な指示文を入力します。

今回、LLMが作成してくれた指示文には以下が含まれています。

  • GPTの役割定義(TRIZ専門家、初心者にも優しい)
  • 対話の進め方(5つのステップ)
  • 出力フォーマット(絵文字を使った親しみやすい形式)
  • TRIZの基本知識の説明方法
  • 注意事項(専門用語は平易に、押し付けない姿勢)

以下のリポジトリのファイルを参照してください。

triz-innovator-gpt/instructions.md at main · ueponx/triz-innovator-gpt · GitHub

👉️指示は長くなりがちですが、具体的であればあるほど、カスタムGPTは期待通りに動作します。

4. 会話のきっかけを設定

会話のきっかけに、ユーザーがクリック一つで始められる質問を設定します。

新しいアイデアをTRIZで改良したい
製品やサービスの課題を解決したい
創造的な発想のヒントが欲しい
矛盾する要求をどう解決すればいいか相談したい

実際にはカスタムGPTの以下の部分に相当します。

初めてのユーザーは会話のきっかけのボタンを押すことでチャットを始めることができます。

5. 知識ベースをアップロード

知識セクションで、カスタムGPTが参照する情報となるファイルをアップロードします。

今回は以下の2ファイルを添付しました。

  1. 40の発明原理の詳細解説(各原理の説明、具体例、適用のヒント)
  2. 実践ケーススタディ(21の実例を分野別に整理)

これにより、カスタムGPTはより具体的で実践的な提案ができるようになります。

以下のリポジトリのファイルを参照してください。

https://github.com/ueponx/triz-innovator-gpt/tree/main/knowledge

6. 機能を設定

機能セクションでは使用する機能を選択します。

今回は以下のものを選択しました。

  • ウェブ検索 … ONにする(最新事例の検索用)
  • Canvas … キャンバス機能を有効化(資料作成もできるようにする)
  • 画像生成 … OFF(今回は不要)
  • コードインタプリターとデータ分析 … OFF(今回は不要)

7.テストと調整

画面右側のPreviewでテストします:

テスト例:
「スマートフォンのバッテリーを長持ちさせたいけど、サイズは大きくしたくありません」

期待通りの応答が返ってくるか確認し、必要に応じて指示を調整します。

8. 公開設定

画面右上の【作成する】ボタンをクリックし、公開範囲を選択します。

  • 自分だけ … 自分だけが使用
  • リンクを受け取った人 … リンクを知っている人が使用
  • GPTストア … 誰でも使用可能

今回、共有も目的にしていたので「リンクを受け取った人」で設定しています。

chatgpt.com

完成したGPTの使い心地

実際に使ってみると、こんな感じで相談をすることができます。

入力

レストランの回転率を上げたいけど、顧客満足度は下げたくない

今回のカスタムGPTの応答(抜粋)

なるほど!これは典型的な「技術的矛盾」ですね。

回転率を上げる(速く提供) → 顧客満足度が下がる(急かされる感じ)

このジレンマに使えるTRIZ原理がいくつかあります:

💡 原理#1(分割):作業を細かく分けて効率化
💡 原理#10(先取り作用):事前準備で時間短縮
💡 原理#20(有用作用の継続):待ち時間をなくす

具体的な改良案を3つ提案しますね...

初心者でも理解しやすく、すぐに実践できる提案が返ってきます🤗

おわりに

LLMの効果的な活用については普段から使っていますが、以下の点が再認識させられます。

  • 専門知識の体系的な整理
  • ドキュメントの自動生成
  • 設計の一貫性確保
  • 高速な試行錯誤が可能

カスタムGPT作成のコツ

作成後の実験の中で以下のような点がコツに繋がりそうです。

  • 具体的な要件を設定 … ターゲットユーザー、トーン、機能を明確に
  • 知識ベースの充実 … 具体例が豊富であるほど実用的

自分専用のAIアシスタントを作れるカスタムGPTは、アイデア次第ではありますが、かなり使えるようになると思います。今回はTRIZを使ったアイデア支援をさせてみましたが、学習支援、創造的な活動のサポートなど、様々な用途に活用できそうです。また、プログラミング的な知識がなくてもできるのも良い点ですよね🤩

また、TRIZという一見難しそうな内容でも、LLMの力を借りれば、初心者向けの分かりやすいツールを短時間で作れますね。

ソース

github.com