RaspberryPi 4B
にもChromiumOS(ChromeOS)
がインストールできるという噂を聞いたのでインストールしてみました。公式のリリースというわけではないので、使えない機能(動画再生のハードウエアアクセラレーションなど)も色々とあり実用まではまだかなととは思いつつも、ポーティングの現在の状況をみるにはいいかなと思いました。操作が軽ければ今後期待できますしね。
こちらのサイトにありました。
FydeOS
という名称になるようです。Chromium to 80.0.3987.163
のブランチになっています。
FydeOS
は(以前はFlintOS
という名前でした)、Fyde Innovations
が開発したChromiumOS
をフォークしたLinuxベースのオペレーショングシステムで中国人学生向けにビルドされたとのことです。
注意点としては以下のようになっています。
- Raspberry Pi 3と4には別のイメージになっていることに注意
- ログイン前のPi 4イメージにいくつかのグラフィックの不具合がある
- ビデオストリーミングをデコードするためのハードウェアアクセラレーションは未サポート
- このリリースはテストビルドであり、本番環境として使用するには、安全ではない
今回ダウンロードするバージョンはR80となっていたので、比較的新しいバージョンのビルドなのでどんな感じなのか少し期待です。
OSのインストールと初期設定を行う
先程のサイトからOSイメージをダウンロードして、Raspberry Pi Imager
のカスタムイメージで書き込みを行います。
あとは、イメージの書き込まれたSDカードメモリをRaspberryPi 4B
に挿入して起動を行います。Rasbian
ではヘッドレス(モニタなし)での設定ができましたが、ChromiumOS
ではそういう話はきいたことがないので、HDMIモニタを接続して起動を行うことになります。注意点があるとすれば、HDMIのコネクタがMicroコネクタ形状なので、変換コネクタが必要になる可能性があります。持っていない場合には購入しましょう。あとはキーボードとマウスも接続しておきます。
電源入れて起動をすると、はじめにChromium
と画面に表示されます。純正のChromebook
などではChrome
と表示されますが、こちらは表示が違うようです。
その後、Welcome画面が表示されます。この画面で言語設定を変更できます。画面左下の【English(United Staites)】のボタンをクリックすると言語・キーボード設定の画面に遷移します。
【Language】のプルダウンから
【Japanese:日本語】を選択し、
キーボードのプルダウンから【日本語】を選択します。
選択が終わったら下にある【OK】ボタンをクリックします。
すると先ほどまでWelcomeと表示されていた画面がようこそ!に変更されます。ここで【続行】のボタンをクリックします。
その後はネットワークの設定画面に遷移します。
接続するネットワークのSSIDを選択し、パスワードを設定して【接続】ボタンをクリックします。
RaspberryPi 4B
なので5GHzのWiFiへの接続も可能です。そのアップデートの確認が行われます。
続いて、Googleアカウントによるログインを行っていきます。ユーザー名とパスワード、2段階認証(有効にしている場合)を行うとようやくインストール・初期設定が完了します。
起動後からChromiumブラウザの使用できます。ログインにより設定も引き継がれているので拡張機能なども使うことができます。
ハードウエアアクセラレーションは対応していませんが、Youtubeの再生は行えます(解像度を下げればスムーズです)。音声はアナログピンから出力されます。HDMI接続をしているのですが、モニタ側から出力されなかったのはちょっと残念でした。今回はモニタではなく、キャプチャユニット経由で表示を行っているので環境は特殊かもしれません。私はメニューの音量の部分からは変更できない感じでしたが、もしかしたらできるのかも?
起動後にバージョンを確認しましたがR80になっていました。ちょっと気になったのは32bitOS。
使用してみての不具合
日本語入力がおかしい
インストール時の言語選択を行うことで日本語変換が表示的にはできるようなのですが、できません。キーボードの全角半角キーは有効になっているのですが、切り替え後のキー入力を受け付けてくれません。
ログイン時のキーボードマップ
ログイン時のキーボードマップがおかしいみたいです。ただ、ログインを行うと設定したキーマップになっているので、何かが問題のようです。
プルダウンなどのUI操作が遅れる
マウスなどの操作をして選択を行うと選択操作と表示がずれることがあり、正しい操作をしたのかわからなくなるときがあります。大概は問題ないのですが、クリック選択部分がずれると地味に混乱します。こちらのほうが気になりますね。
発熱は割とすごい
比較的操作感覚は軽い感じなのですが、ファンを付けないと発熱が結構あります。可能な限りFANをつけたほうがいいと思います。
Linux拡張…
ありませんでした。あると便利かなと思ったのですが設定画面には表示されません。ちょっと残念かな~。
おわりに
触った感じはこんな感じでした。動作速度自体はそこまで悪くないと思いますが、ちょっと常用するというのには至らないかなと思います。とはいえ今後割と期待感を感じさせてくれます。現状ではRaspberryPi
をにChromiumOS
を入れる理由はあまりないとは思います(やれることが減ってしまいますし、Linux拡張がないのでアプリケーションでも制限がかかりますし…)
今後に期待ということで締めたいと思います。