Raspberry PixelをHyper-V環境にインストールしてみる
以前のエントリで旧型のPCにRaspberry Pixelをインストールしました。
今度はHyper-Vの環境にRaspberry Pixelをインストールをしてみます。仮想環境ではメモリや記憶容量などが少ないほうが良いので、その他の軽量Linuxと比べてもRaspberry Pixelはなかなかよい選択肢なのかなと思います。
ただ、isoイメージをそのまま使って起動するとDVDイメージを使ったLive設定と同じになるため設定などの変更(ロケールの設定、タイムゾーンの設定など)が行えない、ファイルの保存ができないなど色々と不都合があります。そこで今回はそれらの設定も可能な様にインストールを行います。
手順
今回行う手順を簡単に説明すると以下のようになります。
ここでポイントになるのはisoのイメージをHyper-Vの仮想マシンで使用可能なvhd形式に変換しているところになります。
isoイメージをダウンロードし、拡張子を変更
まず、上記のリンクからisoイメージをダウンロードします。(既にダウンロードしている場合には不要です) ダウンロードしたらファイルの拡張子をisoからimgに変更します。
(変更前)pixel_x86-2016-12-13/2016-12-13-pixel-x86-jessie.iso
↓
(変更後)pixel_x86-2016-12-13/2016-12-13-pixel-x86-jessie.img
イメージファイルをvhdファイルに変換
続いてはイメージファイルの変換を行います。先程ファイルの拡張子を変換したのは今回使用する変換ツールがisoという拡張子を使用できないために変換をしています。こちらで紹介する変換ツール以外でisoファイルを使用可能であれば、前述の拡張子変換の作業は不要です。
今回使用した変換ツールは以下です。
こちらでも紹介されていました。
【レビュー】仮想ディスクフォーマットをVMDK/VHD/IMGへ相互変換「StarWind (V2V) Converter」 - 窓の杜
本当は以下のPowerShellでisoもそのまま使えるようなので使いたかったのですが、何故か起動できずハマっていたので上記で代用しています。
StarWind V2V Image Converter
はダウンロードに登録が必要ですが、それ以外は制限はないようです。
インストールはインストーラーに従うだけなので省略します。
インストールが終わったらStarWind V2V Image Converter
を起動します。
起動すると広告表示されるので、【次へ】ボタンをクリックして進みます。
まずはSourceとなるイメージの場所の設定を指定します。今回はPCにダウンロードしたファイルを使用するので【Local file】を選択し【Next >】ボタンをクリックします。
次はイメージファイルを選択します。先程、拡張子を変更したファイルを選択し【Next >】ボタンをクリックします。
続いては変換するイメージファイルのフォーマットを選択します。今回は【Microsoft VHD growable image】(増加可能なVHDフォーマット)を選択して【Next >】ボタンをクリックします。やってみたわけではありませんが【Microsoft VHD pre-allocateed image】(固定サイズVHDフォーマット)でもいいのかなと思います。また、【Microsoft VHDX image】でも行けると思いますが、選択した場合は移行の作業も適宜読み替えて行ってください。
今度はファイルの保存先を選択します。PC上に保存するので【Local file】を選択し【Next >】ボタンをクリックします。
最後にファイル名を指定します。わかりやすい場所に保存すれば問題ないかと思います。
【Next >】ボタンをクリックすると処理が開始されます。
出来上がったファイルはC:\Users\Public\Documents\Hyper-V\Virtual hard disks
に保存すると、Hyper-VのデフォルトのHDDイメージを保存するフォルダなので後の処理が楽かなと思います。処理が完了したら【Finish】ボタンをクリックします。
Hyper-Vで仮想マシンを作成
【Hyper-Vマネージャ】を起動して、新しい仮想マシンを作成します。
今回の仮想マシンの名前はpixel
としています。入力したら【次へ】ボタンをクリックします。
世代の指定では第1世代を選択してください。設定したら【次へ】ボタンをクリックします。
メモリは多めでも良いと思いますが1024Mbyteでも大丈夫かなと思います。Raspbianベースですので。(大丈夫かなと思いますが、Xは普通に動いていました。)設定したら【次へ】ボタンをクリックします。
ネットワーク構成は通信可能なものを選択してください。(インターフェースがない場合は作成をしましょう。)設定したら【次へ】ボタンをクリックします。
仮想ハードディスクの接続設定になりますが、ここでは【既存の仮想ハードディスクを使用する】を選択し、先程作成したvhdファイルを指定します。設定したら【次へ】ボタンをクリックします。
設定の確認画面になるのでこれで問題なければ【完了】ボタンをクリックします。これで仮想マシンが作成されます。
処理が終わると仮想マシンの一覧に今回作成した仮想マシン名である【pixel】が追加されます。
仮想マシンをディスクイメージを変換する
この段階ではディスクイメージがisoのイメージファイルと同じサイズなので大きくしようと思います 仮想マシンの操作の中から【ディスクの編集】を選択します。【仮想ハードディスクの編集ウイザード】が開きます。 そして、先程選択したディスクイメージのvhdファイルを選択し、【次へ】ボタンをクリックします。
そして、操作の選択から【拡張】を選び、【次へ】ボタンをクリックします。
仮想マシンで使用するディスクのサイズに変更します。今回は16GBに変更しました。設定が終わったら【次へ】ボタンをクリックします。
処理の確認画面が表示されますので、問題なければ【完了】ボタンをクリックします。 これで処理は完了です。
仮想マシンの起動
設定が終わったので仮想マシンを起動します。
起動中に以下のようなダイアログは出ますが、無視して問題ありません。
起動が完了するとXが立ち上がるので端末を起動して
sudo fdsik -l
でディスク状況を確認します。isoイメージサイズではなく、先程指定したサイズになっていれば問題ないと思います。
仮想マシンの設定
これでOSの設定などが保存されるようになっていますので以下のブログに従って設定すると日本語化もうまくいくと思います。Pixelのx86版ではRaspbianと違ってRaspi-config
コマンドがなかったので、このブログの情報はかなり助かりました。
sshも可能になって、WindowsからTeratermで接続も可能になり
ブラウザでも日本語が表示できています。・・・↓の画像ではわかりにくいですが。
おわりに
Hyper-V環境でも無事にRaspberry Pixelインストールすることができました。本当に少ないリソースで軽快に動いてくれるのでいいですね。特にメモリの少ないノートPCでも仮想環境としてLinux系のOSが使えるのが助かります。